きものスリップレビュー


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最近愛用者が多いきものスリップ。肌着と裾よけが一つになった便利なものです。いくつかご紹介します。

1.長襦袢の下は?

先日、友人からこんな質問がありました。

「久しぶりに黒留袖を着るのだけど、長襦袢の下には何を着れば良かったかしら?」

20年前だったら「肌襦袢と裾よけね!」と即答していたかもしれませんが、今は肌着と裾よけが合体したワンピースタイプをすすめています。

いわゆる「きものスリップ」と呼ばれているものです。

きものを着慣れていない人にとっては、ただでさえ一度に色々と小物を準備しなければならなくてストレスを感じるはず。ワンピースタイプなら美容室への荷物が少し減りますね。また、自分で着る時も簡単ですし洗濯も楽にできます。

 

2.2種類のきものスリップ

きものスリップの上半身は、ほとんどが晒やガーゼなどの綿素材ですが、下半身(スカート部分)はポリエステルのものとキュプラ(ベンベルグ)のものがあります。ポリエステルは洗濯に強く低価格です。

①下半身(スカート部分)がポリエステルのもの

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△装道 ワンピース型 美容ユニペッチ (中国製、2980円)

 

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△キョウエツ レディース洗える肌襦袢 着物スリップ (中国製、1600円)

 

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△婚礼・礼装用 和装スリップ (日本製、2800円)

②下半身がキュプラ(ベンベルグ)のもの

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△ベンベルグ使用レース袖きものスリップ腰当て・パット付き(8100円)

次に1つずつ詳しく見ていきます。

 

3.装道 ワンピース型 美容ユニペッチ(ポリエステル使用)

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①よく見てみる

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胸元は打ち合わせ式ですが、きものの肌着というより洋服の下着に近いです。

 

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△襟部分のアップ

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△上下をつなぐ部分

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上身頃はシャツのように体にフィットするタイプです。

 

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△袖口

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△裾のスリット部分

②サイズ

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サイズは2種類で着丈は短めです。

③着用の感想

・着丈

Mを着てみましたが、112㎝では少し短く感じました。打ち合わせ式ではないスカートタイプの裾なので、これ以上長いと動きにくいからでしょう。

長めの裾を希望する人には向きません。(きものを短く着付ける、娘の卒業袴の下に使用してみようと思います)

・生地

スカート部分はがツルツルのポリエステルなので静電気防止スプレーを使うほうが良いです。

・気軽に

洋服のスリップのように気軽に着られるので、家で普段着のきものを着る時に向いているかもしれません。

・収納

シワにならずかさばらないので収納が楽です。

・上身頃

フィットタイプなので、ふくよかな人には向かないかもしれません。

・洗濯

普通の半袖スリップと同じで、洗濯が簡単でした。

 

4.キョウエツ レディース洗える肌襦袢 着物スリップ(ポリエステル使用)

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①よく見てみる

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下前に付いている紐を脇から出し、前にまわして結ぶタイプです。

 

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後ろの襟ぐりは大きめです。

 

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袖の長さはたっぷりしています。

 

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△袖付け部分

あまり工夫はなくシンプルです。

 

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裾の折り返しはたっぷりしています。

②サイズ

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サイズはM・L・Fの3種類です。

③着用の感想

・丈

身丈や袖丈はちょうどよかったです。(身長155cmでMサイズを着用)

・紐

紐を一周させて前で結ぶので衿元が崩れず安定します。

・組み合わせ

<絹のレギンス>+本品+<二部式長襦袢(ポリエステルの裾)>+<絹のきもの>の組み合わせで試しました。スリップとポリの長襦袢には静電気防止スプレーを使用したところ、問題なく過ごせました。

 

5.婚礼・礼装用 和装スリップ(日本製、ポリエステル使用)

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①よく見てみる

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とてもシンプルで無駄のないデザインです。

 

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△後ろ

脇ではなく、背縫いがあるタイプで、紐は後ろから回します。

 

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袖は短いです。

 

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この製品の特長である脇の当て布です。

 

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上半身と下半身のつなぎ目部分です。

②サイズ

サイズは4種類です。

Sサイズ:身巾46cm 身丈117cm 裄32cm 裾廻り122cm
Mサイズ:身巾50cm 身丈121cm 裄35cm 裾廻り132cm
Lサイズ:身巾54cm 身丈124cm 裄37cm 裾廻り152cm
2Lサイズ:身巾59cm 身丈130cm 裄40cm 裾廻り160cm

③着用の感想

・袖丈

袖が短くて少し不安な気がしました。絹の長襦袢を着用する場合は、もう少し長い袖の方がよいのではないでしょうか。

・婚礼用?

パッケージには「婚礼用」とありますが、後ろ衿は特に大きくあいているわけではありません。

無駄(余裕?)のない生地の使い方や、紐を後ろからまわして結ぶ点などから、自装よりも他装向き、つまり一度きりの花嫁衣装用のきものスリップ、という印象を持ちました。

・当て布

脇の当て布はちょうど汗をかく場所に付けられていて、良いと思いました。この点は評価したいと思います。

・裾

折り返しがほとんど無いので、裾の落ち着きがありません。冬の外出には静電気防止スプレーは欠かせないと思いました。

 

6.ベンベルグ使用 レース袖きものスリップ腰当て・パット付き

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①よく見てみる

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生地をたっぷり使って仕立てられています。

 

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△後ろ

このスリップには色々工夫が施されています

 

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和の稽古ごとや仕事をしている人のための工夫だそうです。

・弾性さらし

胴回りに、伸縮性のあるさらしが縫いこんであり、縦方向に伸びます。正座するときになどに良いようです。

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伸びます

 

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△弾性さらしの部分

・腰当て

腰からお尻部分に腰当てが付いています。冬は保温に、夏は汗取りとしての効果があるようです。

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△腰当て

たて45cmよこ73cmの腰当てです。

・補正パット

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鎖骨から胸元にかけて、取り外し可能な補正パットが付いています。シワが寄るのを防ぎます。

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パットを入れた状態

・ベンベルグ素材

袖部分と裾除け部分にはベンベルグ*を使用しています。

*ベンベルグ…旭化成せんいのコットンから生まれた再生セルロース繊維キュプラのブランド名。静電気を抑え、ムレやベタつきを抑える効果がある素材だそうです。

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△ベンベルグの裾

・レース

袖部分と裾部分にレースがあしらわれています。

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△袖のレース

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△裾のレース

②サイズ

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サイズは4種類です。MとLにそれぞれ丈長があります。

③着用の感想

・ベンベルグ

肌触りは柔らかな木綿に近く、しっとりした感じです。

・安心感

生地をたっぷり使っているので、今回ご紹介したきものスリップの中では、畳んだ状態で一番かさばりますが、着ていると気にならず、むしろ安心感があります。また、仕立てや布の端の始末もしっかりしています。

・パット

補正パットは私には必要で、7~8年前からこのタイプのスリップを着用しています。でもパットが不要な人もいると思います。

・腰当て

腰当て付きのスリップを着用したのは今回が初めてですが、腰当てが膝の裏あたりまであるので、長時間座る時の汗対策として役立ちそうだと思いました。(以前のタイプにはなかったので、改良されたのだと思います)

 

7.キュプラを使っている他の「きものスリップ」

購入はしていませんが、下半身がキュプラ(ベンベルグ)の製品は他にもあります。6で紹介したようなパットや腰当ては付いていません。

 

8.友人にすすめたもの

長襦袢の下に着るものとして私が友人にすすめたものは
①「汗取り肌着」
②「きものスリップ」
の2枚です。

①の上に②を着る使用法です。

①汗取り肌着(あしべ織り肌着)

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貸衣装ではなく、お母様の黒留袖の寸法を直し、新しい長襦袢を着るということなので、汗からきものを守るための「あしべ織り肌着」は必要だと思いました。

少し高価ですが、1枚あれば娘さんが浴衣を着るときにも使えますし、胴回りの補正の役目も果たします。

参考:2014年8月3日の記事

②きものスリップ(キョウエツ レディース洗える肌襦袢 着物スリップ)

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その上から着るのは手頃な価格のキョウエツのスリップです。袖がたっぷりしていることと、ホテル内のみの移動で外を歩くことは少ないようなので下半身はポリエステルでも問題はないと思いました。静電気防止スプレーを使えばより安心です。

きものを頻繁に着る人には、素材・着心地の面から、キュプラ(ベンベルグ)使用のきものスリップをおすすめしたいと思います。

 

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★……オススメ

 


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