日本橋三越「茶美×和美の世界」に行ってきました


_MG_6197

今日は三越本店で行われたイベントについてご紹介します。

 

1.和へのいざない

① 期間

2016年8月31日~9月5日開催のイベントです。

② タイトルについて

16090201

「和へのいざない・茶美×和美の世界」というタイトルがつけられています。
「さび×わび」と読ませているようです。

③ 内容

サブタイトルには「茶の湯とともに楽しむ、和の¨いべんと¨」とあります。

◇秋のお茶会やお稽古にふさわしい着物の提案
◇茶道具、和雑貨の紹介
◇お茶席・実演(組紐、練香)・お話・体験教室・撮影会など

連日さまざまなイベントが行われています。

 

_DSC4295

会場には写真撮影用のコーナーと、プラカードの用意も♪
(土日には、きもので来場した人に写真のサービスもあります)

また、新館7Fでは「千家十職の軌跡展」が開催されいて、貴重な茶道具が数多く出品されていました。(こちらは9月12日まで・有料)

 

2.鈴木時代裂研究所

昨年のブログでご紹介した鈴木一弘氏が会場でお話(ミニ講演)をなさるということで、私も伺いました。

鈴木さんは「名物裂」などを研究・復原している鈴木時代裂研究所の所長です。

 

_DSC4284
△鈴木一弘さんと
(2015年9月27日10月3日の記事参照)

鈴木時代裂研究所のウェブサイト
今回は
「名物裂(めいぶつぎれ)」のお話(8/31)
「竹屋町(たけやまち)刺繍」のお話(9/1)
「古渡更紗(こわたりさらさ)」のお話(9/2)

を伺いました。

 

_DSC4308
△講演をする鈴木さん

 

3.「名物裂*」のお話

*名物裂…鎌倉時代から江戸時代初期に主に中国から渡来した高級絹織物の総称で、茶の湯の世界で珍重されました。

① 貴重な裂地(きれじ)

古い茶会記を調べると、1608年に「切地」という言葉が登場するそうです。

1700年代、名物裂の「富田金蘭(とみたきんらん)」は60cm×40cmの裂が現代の価格で2500万円だったそうです。

一方、利休の茶杓はその10分の1。名物裂の袋(仕覆)になると、茶入れよりもずっと高価になるというわけです。

② 金襴(きんらん)・緞子(どんす)・間道(かんどう)

名物裂といえば「金襴・緞子・間道」ですが、この説明は30秒で済むそうです。

金襴……キラキラのもの
緞子……2色のもの
間道……縞

「この3つを覚えればよいのです!」

と鈴木さんは教えて下さいました。

15080201

③ 緞子の帛紗(ふくさ)

_DSC4330
△創作 干支 甲申純子*(こうしんどんす) 小帛紗(こぶくさ)

*どんすは「緞子」・「純子」・「段子」とも書かれます。

緞子は確かに2色ですね。キラキラの金襴より落ち着いた感じです。

12年前(平成16年)の申(さる)年の帛紗で、母が大切にしていました。植物染料を使用した手織りの帛紗は、繊細で暖かみがあります。

 

4.「竹屋町」のお話

① 竹屋町とは

紗の生地に金箔紙と色糸で生地の目に沿って横に縫っていくものです。

16082802

16082804

16082805
△鈴木一弘氏の作品
(いずれも『MITSUKOSHIお帳場通信・2016秋』より)

② 名称の由来

京都・竹屋町通りに由来します。

17世紀初めに古田織部(ふるた おりべ)が中国人を招き、竹屋町通りで作らせました。当初は「織部紗(おりべしゃ)」と言われ、後に「竹屋町」となりました。名前が変わった理由は、織部が1615年に切腹をしたからだそうです。

③ 金紗(きんしゃ)・繍紗(ぬいしゃ)

〈竹屋町〉は金箔と色糸で縫いますが、紗の生地に金糸だけで刺繍したものを〈金紗〉、紗の生地に色糸だけで刺繍したものを〈繍紗〉というそうです。

会場には、それらの縫い方全てを駆使して作られた美しい掛軸が飾られており、皆さん足を留めてじっと見入っていました。

鈴木一弘さんは刺繍をする紗の生地も自分で織っていらっしゃいます。

 

5.「古渡更紗」のお話

① 古渡更紗とは

「だいたい400年前に渡来したもの。更紗は木綿です。」
という簡潔な説明でした。

② 格天井更紗(ごうてんじょうさらさ)

_MG_9696
△格天井更紗の帛紗

今から六十数年前、20代の青年だった鈴木一弘さんの父 鈴木一(はじめ)さんは、古美術店で6種類の裂を買いました。

その中の一枚がこの更紗で、後に箱書きから伊藤博文の愛用の物だったことがわかりました。

この裂に魅せられた一さんは復原を決意。こうして「格天井更紗」は復原第一作の更紗となりました。14色の色が使われているそうです。

 

_DSC4286

今回はこの懐紙入れを購入しました。

 

_DSC4289

母からもらった帛紗とお揃いになりました。

③ 笹蔓手金更紗(ささづるできんさらさ)

_MG_6189
△ 復原第二作の更紗

研究所のコレクションから再現したもので、非の打ち所のない構図、との説明でした。蔓がハートの形になっています。

 

_MG_6196

この日は帯も更紗にしました。

④ ウンヤ手格天井更紗

_MG_6182

謎の多い更紗のようです。ウンヤの意味は不明、円文(丸)の中の兎に似た動物も不明だそうです。まわりのチョロチョロした部分がウンヤでは? といわれています。

見るほどに魅力的な更紗です。

 

_DSC4324

この日は更紗のトートバッグに合わせて、藍染めのワンピースを着ました。

 

6.アイディア商品「ICカードボトムマット」(ICカードホルダー付きバッグ底敷き)

_MG_6349

鈴木さんが考案したアイディアグッズです。

ICカードを装着しカバンの底や側面に入れておけば、取り出す手間なく楽に改札が通れる、というものです。

笹蔓手金更紗がプリントされていて、カバンの中のアクセントになります。(素材・ポリプロピレン)

ちょっとしたプレゼントにも……500円(税抜き)です。
http://sjk-kyoto.com/ic_bottom_mat/

「和へのいざない・茶美×和美の世界」は、明日(9/4)も写真撮影会が予定されており、お茶席は最終日の5日まであります。

会場ではきもの姿の女性を多く見かけました。8月末から9月初めにかけてのきものはなかなか難しいですよね。

次回取り上げたいと思います。


この記事に対するコメント

2 Comments on "日本橋三越「茶美×和美の世界」に行ってきました"

avatar
Sort by:   newest | oldest
みやこどり

笹蔓手金更紗、和洋いずれの装いにも馴染みそうな、愛らしい模様ですね。バッグの底という、他人からは見えないところに、ひっそりとこんな柄のものを忍ばせる楽しみ(^-^)わくわくします。
緞子のご説明、要を得て簡。恐れ入りました。