多くのファンに支持されているカレンブロッソの草履を初めて試してみました。
すでに愛用している方も多いと思いますが、ご紹介します。
1.カレンブロッソの草履
①カレンブロッソとは
カレンブロッソは履物メーカー菱屋のプライベートブランドです。
菱屋が展開する「花ごよみ」という和装品のシリーズ名をCalender of blossomと訳したところから、「Calen Blosso」となったということです。
菱屋は大正15年大阪で創業。カレンブロッソは2000年頃からスタートしました。
草履のほか、バッグや財布、小物類、デニム着物(メンズ)や浴衣も製造・販売しているようです。
(参考:カレンブロッソのウェブサイト)
②「カレンブロッソ カフェ草履」の特徴
カレンブロッソの草履の特徴は、草履の台と底にあります。
従来の草履はコルク台に革の底が一般的でした。それをEVAという特殊ポリマーと、合成クレープ(合成ゴム)に替えて、歩きやすさ重視の草履にしたのです。
軽量でクッション性もあります。
2.届く
①「雨晴兼用草履 菱屋謹製 五嶋紐鼻緒 カレンブロッソ カフェ草履」
インターネット注文後2日で届きました。「あすかや」というショップです。16,800円 (税込)、送料は700円でした。
しっかり梱包されています。
包装紙を開けると
菱屋の箱です。
薄紙に包まれていました。
届いたのはこれです。
3~4年前に菱屋と江戸組紐の五嶋紐がコラボして売り出したもののようです。ゴム底、EVA台使用で、雨の日でも着用可能な晴雨兼用草履です。
カレンブロッソのタグが貼られています。
「江戸組紐 五嶋紐」の紙が巻かれていました。
カジュアルな台の上に礼装用かと思わせる金糸入りの鼻緒が光っていて、少し驚きました。
鼻緒は絹にテトロン糸も混ざっており、キラキラなのはそのせいかもしれません。
グリーン系の天(足がのる部分)は紬のような化繊の生地です。
巻部分は明るい木目のような感じです。履くと足元が目立ちそうです。
底です。合成ゴムですが、クレープソール*のような見た目です。
*クレープソールはカジュアルな紳士靴の裏に使われている素材です。
△スエードの紳士靴に使われているクレープソール(これは合成ゴムではなく生ゴムです)
かかと部分はハネが上がらない設計とのことです。
紅白のタグがワンポイントのデザインになっているようですが、私には必要ない気がしたので……
はがして履くことにしました。
②ウレタン厚底草履との比較
前回ご紹介したウレタン草履と並べて見ました。ウレタン草履の詳細は前回の記事をご覧下さい。(ウレタン草履はすでに着用済みなので鼻緒が広がっています)
かかと部分
カレンブロッソのほうがわずかに台が高いようです。
ウレタン草履は262gでしたので……
228gのカレンブロッソのほうが軽いです。
③コルクとの比較
従来の革草履は、台にコルクを使っています。また、カジュアルな草履には、コルクそのものを見せるものもありました。
コルク草履は軽快な雰囲気です。
カレンブロッソ草履のEVA台はこの雰囲気に似ていると思いました。
3.履いてみる
草履と同じグリーン系の紬のきものに合わせました。
①前から見る
きものと草履の色を合わせたので違和感がありません。濃い色の着物の場合は草履が目立ちそうです。
②横から見る
普通、洋服からきものに着替えると、草履のせいで背が低くなったように感じるのですが、これは違います。
振り袖を着る時履いていた草履を思い出しました。
昔は、普段草履は低く、礼装用は少し高くて巻きが二枚、三枚と重ねられることで華やかさを出していました。
振り袖は袖が長いため、私もかなり高さのある草履を履いていました。
当時はカジュアルな装いに高い台の草履を履くことはなく、普段履きで厚底のものは作られていなかったと思います。
③後ろから見る
後ろ姿は小さい「ぽっくり」に足をのせているみたいで不思議です。若い頃履いていた下駄を思い出しました……
これは10代の頃、京都で買ってもらったもの。舞妓さんも履いていると聞き、喜んで愛用していた履きやすい下駄です。
素足ではなく足袋を履いて、小紋の着物でも、冬でも、季節を問わず着用していました。(底が削れてきたのでやむなくゴムを貼ってもらい履いていました)
背が高くみえるところも気に入っていました。
4.「カレンブロッソカフェ草履」着用の感想
①良い点
- 従来の草履より、かなり背が高くみえる
- 足が天に吸い付く感じで歩きやすく、足裏が痛くなりにくい
- きものの裾を長めに着てもバランスが良い
- 前と後ろの高低差が少ないので疲れにくい
- EVA台とゴム底で水がしみ込まない
- かかとがカットされているのでハネが上がりにくい(これはまだ未経験です)
- 前回紹介したウレタン厚底草履よりクッション性は低いものの、歩きやすさはまさっている
②気になる点
- 今回購入した草履の場合、天と巻(側面)の色の差が大きく、カジュアル感が強調されてしまう
- カジュアル感が強いのに鼻緒の金色が目立ち、少し違和感を感じる
- きものを普段ぽく短めに着ると、草履の台の高さが目立ってアンバランスになる
- 価格が2万円前後で高めだが、鼻緒の交換は出来ない
- 草履そのものを眺めた時、若干安っぽさを感じた
- 感覚的には下駄に近い
③今回購入したカレンブロッソカフェ草履のまとめ
カジュアル感が強く素材も現代風なので、個人的には訪問先の玄関で脱ぐ場合は着用を避けるかもしれません。(ただし、カレンブロッソ草履には高級感のあるよそゆき用もあり、オーダーもできるようです)
「カレンブロッソカフェ草履」は、履きやすさを重視するならおすすめだと思いました。
「柔らかい下駄、スニーカーのような草履」として、これからも愛用者が増えると思いました。
製品リンク
種類は多くありませんが、Amazonであれば試着が自由に出来るので、サイズが心配な方はこちらをご覧下さい。