夏の着物にはかかとが低い草履を合わせる習慣があった私ですが、履きやすさを第一に考え、
先日購入したカレンブロッソ カフェ草履を絽の着物に合わせてみることにしました。
1.<草履のかかとの高さ> 着物との関係
①昭和時代の草履のかかとの高さを用途で比較
ここでの話は私が育った環境下での草履に関することです。他の人はどうだったかのリサーチはしていませんのでご了承ください。
私が10代~20代の頃は、振り袖かよそ行きの着物(当時の私のよそ行きは、袖の長さが57~68cmもありました)のときだけかかとが高い(巻きの重なりが多い)草履を履いていました。
よそ行きの着物は袖(袂・たもと)が長く、裾も長めに着付けていたので、草履も高さのあるものを履くのが安心で理にかなっていたのだと思います。
皮の草履が主流だった当時は、フォーマルには佐賀錦(さがにしき)という織物の草履が豪華で良いとされていました。
佐賀錦の草履でも母世代は巻きが3枚、娘世代は巻きが4枚というように、かかとの高さが違っていて一緒に出かけるときは背が高く見えて嬉しいものでした。
以下、古い草履ですが写真で見てみましょう。
小紋~訪問着用
留袖用
中振袖・訪問着・紋付き無地用
大振袖用
大振袖用
このように年代や着物の格によって草履のかかとの高さが違うものだと思ってきた私ですが、カレンブロッソの草履の登場によって、そのような考えはあまり意味のないことかもしれないと思うようになりました。
②現代は紬でもかかとの高い草履で
以前購入したカレンブロッソはかかとが約5cm、前の部分も2.5cmと高めだったので、始めは紬の着物に合わせることに少しためらいを感じましたが、今はすっかり慣れました。
電車に乗ったり、たくさん歩く予定のときに重宝しています。
皮の草履は急な雨にあうと底が濡れて傷むことが一番の問題点でしたが、スニーカー底と同じゴム製のカレンブロッソはその心配がないので安心です。
そのときの記事はこちら
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③夏の着物にもかかとの高い草履?
かかとの高いカジュアル草履にだいぶ慣れた私ですが、夏着物に合わせることには抵抗を感じていました。
先月も盛夏用の小さなパナマ草履を履いていました。
記事はこちら
ただ、昔の草履はクッション性がないことが多く、疲れやすいのが問題です。(そもそも下駄なんて木の板なので、日本人はクッション性など求めていなかったわけです)
そこで今回は夏にも履けそうなカレンブロッソ カフェ草履を購入しました。
2.巻き(かかと部分)が白のカフェ草履を購入
①届く
おなじみ「菱屋謹製」の箱です。
薄紙を外すと……
ブルーグレーの草履が登場。
楽天の商品画像より実物のほうが薄い色で少し安心しました。
これを選んだ理由はまだ持っていない色だったのと、白とのコントラストが涼しげに感じたからです。
②よく見る
前坪は白です。
型押し模様の中に、カレンブロッソのブランドロゴであるシマウマがいます。
巻き(側面)は真っ白ではなくグレージュとのマーブル色です。Mサイズ(草履の長さ約24cm)で、私にはたっぷりめの長さです。
かかとが草履に収まる感じにはなりますが、安定感はあると思います。(かかとが草履から少し出るのが粋な履き方だと昭和時代(?)には言われていました)
(Mの対応サイズは23.5~24.5cmとのことです)
③カレンブロッソならではの部分
かかとが斜めにカットされています。
雨のときに跳ね上げた水滴が着物の裾を汚さないための工夫だそうです。
底は滑りにくい「ビブラムソール」。元々登山用に開発された靴底で、耐久性とグリップ性に優れているそうです。(商品説明より)
従来の草履のような鼻緒のすげ穴がないので、水が底からしみない構造です。(その代わり鼻緒のすげ替えはできません)
3.履いてみた
①絽の小紋に
白地の絽の小紋に合わせました。
夏は色が多いと暑そうに見えるので、ハンドバッグを草履の色に近いものにして統一感を出しました。
②白が目立つ?
草履の白部分が目立つように思います。
③後ろ姿は独特
かかとが草履に収まっています。(この部分だけ見るとSサイズでも良かったかもしれません)
斜めにカットされた部分がよくわかります。
④履き心地
最初から違和感なく履けました。厚底でも軽い(200g)ので、足に負担はかかりません。
暑さのストレスがある夏の外出には、足元だけでも気楽になれるカレンブロッソ カフェ草履を履くのも良いものだと思いました。
きものや帯については次回に……