着物用小物

女の子の初節句 親子3代で着物を着る ~使いやすい「赤ちゃん用髪留め」を購入~

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今日は女の子の初節句を取り上げます。

お節句はお宮参りや七五三と違い神社への参拝をしない家庭も多いと思います。我が家も家で行い、ママや祖母もカジュアルな着物で楽しくお祝いしました。

1.雛祭りとは

①起源

雛祭りは、平安時代の貴族の女の子たちの人形遊びである「雛遊び(ひいなあそび)」と、自分の災厄を人形にうつして川に流す「雛流し(ひなながし)」の風習が結びついたものが起源とされます。

3月3日の「上巳(じょうし)の節句」に、人形を贈る風習がみられるようになるのは室町時代で、江戸時代には、この日に現在のような雛人形を飾って、女の子のお祝いをするようになりました。

参考:『家族で楽しむ子どものお祝いごとと季節の行事』新谷尚紀監修(日本文芸社)

②何をする?

赤ちゃんと両親、そして親しい親族で祝い膳を囲んでお祝いをすることが一般的なようです。

節句は赤ちゃんの魔除けの行事でもあるので、健やかな成長を祈願しながら赤ちゃんを囲んで楽しいひとときを過ごします。

③雛人形を飾る日、しまう日

雛人形は赤ちゃんの身代わりになって災厄を引き受けるとされているので、毎年飾ります。

飾る日

2月の節分の翌日、立春から飾っても良いとされますが、特に決まりはありません。(雨の日は避けたほうが良いと思います)

また、正月の松飾りと同じく「一夜(いちや)飾り」、つまり前日に飾るのは縁起が良くないとされているようです。(個人的にはそれでも飾らないよりは良いと思いますが…)

片付ける日

3月4日が理想的ですが、あまりこだわらなくて良いと思います。

それよりも、なるべくお天気がよく乾燥している日、そして丁寧にしまうことができる、時間に余裕がある日を選びましょう。

すぐにしまえない場合は、3月中頃までに片付ければ良いのではないでしょうか。(あまり長い期間だとホコリが付く心配はありますが……。)

「遅くまで飾っていると嫁入りが遅れる」という言い伝えを気にする人もいるかと思いますが、そんな表現が適切ではない時代になっているような気がします。

 

2.初節句の服装

日常着でも十分お祝いできますが、今回は赤ちゃん、ママ、祖母の三代で着物を着ることにしました。
まだ3月にはなっていませんが、日曜日の今日、家族でお祝いをしました。

①赤ちゃん

一つ身の着物

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お食い初めでも着た一つ身*の着物です。

10ヶ月の孫はまだ歩かないので、対丈(ついたけ)ではなく長いまま着せます。

*一つ身(ひとつみ)……背縫いのない赤ちゃんの着物のこと

本当はこの着物だけでも良いのですが……。

被布(ひふ)

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娘が3歳のお祝いに着た被布*があったので、丈や袖ぐりを直して着せることにしました。

これを羽織れば着物の付け紐だけ結べばよいので着用が楽です。

絹紐で作った菊結びの飾りが可愛らしいです。

*被布(ひふ)…元は江戸時代末期に男性(茶人や俳人)が着た上着で、その後女性も着用するようになりました。現在のコートの元になったものですが、現代では大人は着ることがなく、七五三の三歳女児が袖なしの被布を着用するのが一般的になっています。

(参考:ウィキペディア「被布」

 

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△ 『和服裁縫大全集』(大日本雄辯會講談社)より

昭和11年頃の和裁の本では、四つ身の袖付き被布の作り方が掲載されています。

四つ身は4~12歳頃までのサイズなので、当時は小学校高学年くらいの少女も着ていたのかもしれません。

②ママ

きもの

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紅花紬「紅霞(べにがすみ)」を着用しました。

私が10代の頃着ていたもので、ママには少し派手かもしれませんが、家の中でのお祝いなので、明るいものにしました。

もし赤ちゃんがピンク系ならば、ほかの色が良いかもしれません。

この着物についてはこちらで取り上げています。

 

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私は娘の初節句にはグリーンの紬を着ていました。

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塩瀬羽二重に姉様人形の刺繍帯を合わせました。

姉様人形は「雛遊び(ひいなあそび)」からの連想です。

③祖母

きもの

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紅花紬の「春庭(しゅんてい)」を着用しました。

母が40代頃から着ていたものです。一見地味ですが、ピンク系が混じっていて華やかさもあります。

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ママと同じく塩瀬羽二重の帯にしました。お雛様が持つ檜扇(ひおうぎ)からのイメージで扇面文様にしました。

 

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紅花紬のピンクとグリーン色違いコーデはひし餅カラーのようです。寒い一日でしたが、真綿紬の着物で暖かく過ごすことができました。

 

3.赤ちゃんの髪留め

①鹿の子(かのこ)のちんころを利用

着物を着せると髪型もなんとかしたいと思いますが、生後1年未満の赤ちゃんの髪はまだ短く、量も少ないです。

 

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そこで、娘の初節句でも使用した「ちんころ」を使いました。

本来は日本髪の前髪に結ぶものですが、軽く柔らかなので赤ちゃんにはちょうどよい飾りになります。

 

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リボン結びを作り、ほどけないように糸で留めました。

これを簡単に髪に付けるためには髪留めが必要になります。

②赤ちゃん用髪留めを購入

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このような普段使いの小さなクリップを購入しました。

髪の少ない赤ちゃんでも挟むだけで留められる軽い髪飾りで5こセットです。毎日使えそうです。

 

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この中で一番シンプルなものに……

 

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①のちんころを糸で留めました。

 

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完成です。

 

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このように簡単に髪に付けることができました。

③赤ちゃん用和柄の髪留めを購入

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ほかにもこんな髪留めを購入しました。

 

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同じように布でくるまれたクリップタイプです。和柄ちりめん製なので、少ない髪の女の子でも、これを付ければ和の雰囲気になります。

 

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今回は赤系を1つ横に付けました。

カラーは4色あります。

 

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今日は女の子の初節句を取り上げました。

お雛祭りは毎年来ますが、初節句は一生に一度ですので、家族揃って和やかにお祝いしたいですね。

 

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