着物用小物 羽織・コート

羽織と手拭い

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先日羽織を着て恩師をお訪ねしました。羽織は訪問先でも脱がなくて済むのが楽ですね。今日は「羽織」と、「手拭い」のお話です。

1.きものでの訪問

以前も取り上げた話題ですが、私が年に1~2回お訪ねしている恩師は神父で、来月94歳になられます。(2014年12月13日の記事参照

自然豊かな武蔵野の一角に外国人の神父と20名ほどで住んでいらっしゃいます。

 

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この奥にお住いがあります。

先生はきものがお好きとのことで、伺うときはなるべくきものにしています。

以前お訪ねした時の装いは……

 

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△訪問着(11月)

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△訪問着に羽織(1月)

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△小紋(10月)

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△江戸小紋(5月)

今年は11月までに訪問できず師走になってしまい、他の用事の合間に伺うような慌ただしさ……。そこで柔らかいきものはやめて、カジュアルなものでお訪ねすることにしました。

 

2.大島紬に羽織

①大島紬

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きものは着慣れた泥染めの大島紬。麻の葉模様です。柄が大きいので、より普段着的なイメージです。

②草履

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草履も普段履きのコルク。本天(ビロード)の鼻緒と軽いコルクの組み合わせはとても歩きやすいものです。

③羽織

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気楽な大島紬ですが印象が地味なので、昭和時代の羽織を着てみました。

 

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もう派手に思えてあまり出番はなかったのですが、高齢の方にお会いするときには明るい装いの方が喜ばれます。

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△先生のお宅・玄関前で

12月はじめの東京は昼間なら羽織だけでも寒くありません。夕方もショールがあれば十分という日がほとんどです。

そして堅苦しい訪問でない場合は、羽織のほうが柔らかな雰囲気を演出でき、場を和ませる効果もあるようです。

 

3.おみやげに手拭い

先生にはお好きな和菓子と手拭いを毎回持参しています。

年明けからすぐに使っていただけるように、銀座くのやの干支手拭い「道筋」。その年の干支だけが赤で染められています。

 

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△銀座くのや「道筋」手拭い(平成26年秋撮影)

先生はずいぶん前にお母様の干支が赤く染められた「道筋」を入手し、ボロボロになるまで使い続けていらしたとのこと。新しい物がほしい、との先生からのリクエストがきっかけで、毎年秋にお届けすることにしています。

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△ 平成27年秋(麻の葉、亀模様の手ぬぐい)

手拭いはさまざまな用途で毎日使うものですから、1枚では足りないかと思い、他の柄も差し上げています。
くのやでは「道筋」のみの販売なので、以下で購入しています。

 

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今回は「関東縞(かんとうじま)」という柄の手拭いにしました。江戸の終わりに流行した粋な柄だそうです。首に巻いても柄が生きそうです。江戸っ子の先生にぴったりだと思いました。

 

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先生はいつも、相手に合わせた話題を投げかけて話を盛り上げてくださいます。

今回は私が持参したカメラを見て、昔研究論文のための資料を地方から持ち運べないために、苦労して写真を撮った話などをしてくださいました。

 

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若くして亡くなられたお母様を思い出しながら、先生は手拭いをお使いになるのかもしれません。

 

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来年の干支は酉。酉年もどうぞお元気にお過ごしください。

 

4.きものには手拭い♪

私も外出には欠かさず手拭いを持参しています。

①お気に入りの手拭い

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普段使っている手拭いです。タオルよりかさばらず持ち歩きに便利。ハンカチより大きいので、膝の上に広げる時には二重になるので安心です。

 

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地色の濃いものは汚れが目立たないので長持ちします。

②竺仙鑑製

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①の藍の手ぬぐいは、我が家に残っていた古い余りぎれ。藍のちぢみ浴衣だったようですが、浴衣は無くこれだけ残されていました。

 

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なんと、「竺仙鑑製(ちくせんかんせい)*」の文字が右から表記されています。どれだけ古いものなのでしょう……。余りぎれは新品?状態だったので洗って手拭いとして使用しています。

*竺仙鑑製…竺仙の浴衣には現在も「竺仙鑑製」と染め抜きがあります。
(もちろん左から記されています)

「鑑製」という言葉が気になったので竺仙のウェブサイトを見てみました。以下の通りです。

「竺仙染と申しますのは、江戸明治から伝わる型紙と職人の鋭敏な勘のみで作られております。反物の口型に「竺仙鑑製」と染め抜かれた「鑑」の一字にその覚悟を示しております。「鑑」とは、手本になる、かがみ、また目利きなどの厳しい意味があります。竺仙は今はやりのS・P・A型企業として、自社企画、生産、販売を続けてまいりました。そのなかで常に、「鑑」の文字を規範と致しております。」
http://www.chikusen.co.jp/about_us/

 

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こんな老舗の心意気が染め抜かれた手拭いも面白いと思い、気に入って使用しています。

③端の始末

手拭いを使うにあたって気になるのは、布の端がほつれることではないでしょうか。手拭いは本来そのまま使うもので、端を縫ったりするのは手拭い愛好者からはあり得ないことのようです。

今回お訪ねした先生も「手拭いは切りっぱなしのまま使うもの。このほつれがまたいいんですよ。縫ってしまったら粋じゃないねえ」とおっしゃっていました。

洗ってもすぐに乾き清潔なことと、必要ならばすぐに裂いていろいろなことに利用できるという意味もあるようです。そして使い続けているうちにだんだん糸も出なくなってきます。

 

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△ほつれが収まりフリンジのようになった手拭い

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しかし、私はこのように端を縫っています。ハンカチ代わりで持つ場合、糸が出ていると気になってしまうからです。フリンジ状態になるまで待ってはいられません。

ですから、家で使う手拭いはそのまま、持ち歩く手拭いは端の始末を、というように使い分けています。

④洗濯

色物の手拭い、特に藍は洗うと色が出ますし、他の色でも次第に色褪せていきます。それが味わいなのかもしれません。

消耗品としてではなく、手拭いを大切に使いたいなら洗濯は別洗いが良いようです。

私は大切なハンカチやタオルと同じように、おしゃれ着用洗剤を少しいれた水でサッと洗い軽く脱水します。シワを伸ばして畳んだら、昔の人のように手の上に乗せてパンパンと叩いてから干します。乾いてから又きちんと畳めばアイロンはいりません。

今や外国人にも大人気の手拭いですが、皆さんは日常的に使っていらっしゃいますか?

 

 

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