前回は昔の羽織の写真をご紹介しました。
私が羽織を着る目的は、大きく分けて2つあります。
「華やかに」するためと
「控えめに」するためです。
今日はまず、華やかにする羽織の使用例をご紹介しましょう。
①地味なきものに明るさをプラスする
黒地に藍の格子柄の大島紬に花柄の更紗の羽織
羽織がない時は暗めな感じです。
この日は気楽なクラシックコンサートの鑑賞に。
普段ぽい紬に少し華やかさと洋風な雰囲気を取り入れたつもりです。
②薄い色のきものに暖かい雰囲気を加える
(12月初旬、寒い日が続いた頃)
きものは結城紬で暖かいのですが、見た目が少し寒そうです。
そこで、この「短い昭和羽織」の登場です。
明るさと暖かみが加わり、この上に道行きコートを着れば防寒対策も完璧です。
短くて変! と思われる方がいても、それがマナー違反ではないので気にしません。
③黒地のきものを柔らかい印象にする
黒地菊唐草の地紋の上に菊唐草の絞りが施された着物。
新年早々に着るには黒の主張が強過ぎる気がしました。
羽織を着ると、きものの個性を残しつつお正月らしい雰囲気になります。
これは「切り嵌め(きりばめ)*」の羽織。
*切り嵌め…着物(羽織)の生地を切り抜いて、そこに同じく四角に切った布を嵌めこむもの。
横糸、縦糸を生地同士合わせながら嵌め込んでゆくので、アップリケとは違う技法による。
隣の娘が着ている羽織は私の若い頃のものですが、親戚からのお下がりです。
きものは故新田秀次氏の染めによる紅花紬。
羽織によって、お正月らしい雰囲気になっています。
昭和40年代の羽織丈はやはり短く、膝上くらいです。
元は着物だったのかもしれません。
京都祇園、絞りの帯揚げで有名な「ゑり萬」で作られたものです。
私の羽織利用法は次回も続きます。
お付き合い頂ければ嬉しいです。