衿のラインがきれいになる「バイアス半衿」レビュー


今日は後ろの衿のラインがきれいに出るという「バイアス半衿」をご紹介します。

1.バイアス半衿とは

①バイアスの生地

今回ご紹介するのはこの製品です。

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△東レ シルック 「バイアス サマー 半衿 」

商品説明によると……

  • 斜めに交差する特殊な紋組織で織られた生地を45°の角度でカットして半衿にしたものです。適度な伸縮性がでるため、衿山のシワや波打ちがなくなるそうです
  • 新合繊使用により、ふくらみ感と上品な光沢があるとのことです。 シワ・黄変・カビ・虫くいになりにくく、イージーウォッシャブルで お手入れが簡単
  • 新合繊使用で吸汗・速乾性がUPしているとのことです

【品質表示】 長さ : 約105.5cm前後 幅 : 約15cm前後 ポリエステル100% 東レシルックノーブル使用 日本製

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もちろん夏用だけでなく袷・単衣用の半衿もあります。

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△東レシルック「 白無地 バイアス 半衿」

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②よく見てみる

半衿をよく見てみましょう。

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△バイアスサマー半衿

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△白無地バイアス半衿

質感は絹には勝りませんが、みためは絹にそっくりです。

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△夏用アップ

拡大するとバイアスで(斜めに)織られていることがわかります。

 

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ネクタイの織りと同じですね。バイアスにとることで生地に伸縮性を持たせ、結び目の締め付けに柔らかさを与えるためだといわれています。

 

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絽のバイアス半衿を引っ張ってみました。伸縮性がよくわかります。

 

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袷・単衣用の半衿も同様です。

これだけバイアスが効いていれば、衿のカーブ部分にも半衿を楽に伸ばして付けられそうです。
シワの無い衿が簡単に実現するかもしれません。

 

2.シワが気になっていた半衿

以前ご紹介した「夏用本麻長襦袢」(2017.5.28の記事)を今年は愛用していますが、一つだけ気になることがありました。それは付けられていた半衿のシワです。

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△麻の長襦袢

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半衿は薄いためポリエステルでも暑さを感じない点は良いのですが、衿が少しふんわりしています。

 

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後ろの半衿にシワが寄っているのがわかります。

そこで、この半衿を外して、バイアス半衿を付けることにしました。

 

3.バイアス半衿の説明書

バイアス半衿には「縫製のポイント」という解説が付けられていました。

①半衿の付け方の説明

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これを読んでわからない点がありました。「中心より左右に向かってかがりつけて下さい。」というところです。

半衿を付ける時は、まち針を中心から左右に向かって打ちますが、縫う時は衿の端から縫っていました。「中心から左右に向かって縫う」のは初めてです。

それに「かがる」という縫い方もしたことがありません。

そこで、京都にある「東レ着物販売株式会社」に電話してみました。(何ヶ所か電話してみて4件目にこの会社を教えてもらい質問することができました)

②電話で聞く

回答は…
あまりはっきりしませんでした。

<かがる>に関して

この会社がバイアス半衿を付けて販売している製品に関しては、すべて「くけて」*いるとのことでした。
しかし「くける」という用語はあまり一般的でないため、「かがる」*にしたのでは?という説明でした。
どんな縫い方でも良い、みたいなニュアンスでした。

*くける (絎ける)…くけ縫いすること。くけ縫いは縫い目が表に出ない縫い方。針は折り目の中を通り、表をほんの少しすくいながら進みます。「本ぐけ」、「耳ぐけ」、「三つ折りぐけ」があります。

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△三つ折りぐけの裏

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△三つ折りぐけの表

*かがる…布の裁ち目などがほつれないように縫い糸やしつけ糸でからげること。

<中心より左右に向かって>に関して

これは「説明の通りにしていただければ、きれいに付けられます」とのことでした。

確かに、かがり縫いならば左右両方向に縫い進めることができるかもしれませんが、くける場合には方向は決まってしまうので無理があるようです。

そんなわけで、すっきりした回答は得られませんでしたが、「中心からかがる」ことを実行してみようと思います。

 

4.バイアス半衿を付ける

①準備

・元の衿をはずす

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はじめに付いていた衿です。

 

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取るとこうなりました。地衿にはゆるみがないようです。

・アイロンでシワを取る

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半衿の中ほどに付いている折り目をアイロンで消します。

・両端を縫う

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両端を2cmほど折って縫います(わかりやすいように赤い糸で縫っていきます)。

・外周の半衿を折ってアイロン

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外周とは長襦袢の表の背縫い側に付くほうで、1.5cm折ってアイロンでおさえます。アイロンは少し面倒ですが、それによって作業しやすくなります。

②外周を付ける

・外周の半衿にまち針

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長襦袢の表の背縫い側に、折った半衿を当ててまち針を中心から打ちます。

・縫う

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こちら側はあまり気を使わなくて良いので、かがらずに「ひと目落とし」で中心から端まで縫いました。(かがるより早くできます。)

 

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半分付きました。

・外周の残り半分を縫う

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まち針を打ち、中心から縫ってみました。

 

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外周側が縫い終わりました。

③内周を付ける

・内周側にまち針

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内周とは首に当たる側のことです。地衿より2~3mm高く内側に折ります。

・衿肩あきはつらせ気味に

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中心より左右7~8cmの衿肩あき部分は、バイアス半衿を少し引っ張り、つらせ気味にまち針を打ちます。(長襦袢がたるむ感じになります)

それ以降はふつうに端までまち針を打ちます。(内周の半分だけ)

・衿肩あきをかがる

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中心から7~8cmは細かくかがりました。ここは本来なら本ぐけ*で縫う部分です。

かがると糸は少し見えますが、簡単にできました。

 

*本ぐけで縫う場合
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糸はこのように衿の中を進み、表からは見えなくなります。

・途中から一目落としで

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細かくかがったあとは少しあらくかがり、その後は一目落としで縫いました。

 

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以前は端まですべてくけていましたが、見えない部分なのでどんな縫い方でも良いわけです。

・残り半分を縫う

先ほどと同じようにまち針を打ってから衿肩あき部分だけ先に縫い、残りはひと目落としで縫いました。

④出来上がり

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このようになりました。

 

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赤い糸を使用したので細かくかがった部分が目立ちますが、白い糸ならほとんど見えないはずです。

⑤白い糸で

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実際に着るために白い糸で縫い直しました。

 

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わかりにくいですが、衿肩あき部分です。

 

5.着てみる

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バイアス半衿の後ろ部分にシワは無いようです。

 

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△以前の半衿はこうでした。

 

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前の衿もスッキリしています。

バイアス半衿は縫いやすく仕上がりもきれいなので、無地のきものや訪問着などにも着用できると思いました。

 


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