ヘチマの前板、麻の帯枕、麻の伊達締めレビュー

2017年4月23日

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暑くなると夏用の前板(帯板)や帯枕、伊達締めがあると楽です。今までにご紹介したものに加えて、違う製品を取り上げます。

1.過去にご紹介したもの

①井登美株式会社製・ヘチマの前板 ベルト付き

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一昨年購入して以来、通年使用している帯板です。

予備に2本目も購入しましたが、傷みはない為まだ未使用です。ふつうの帯板より薄く柔らかいので、袷のきもの着用時は内側に小さめの帯板をはさんで使用することもあります。

 

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ベルト付きですので、伊達締めのすぐ上に使います。

 

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外側は綿100%で丁寧な縫製です。この綿素材のおかげで帯がすべらず落ち着くような気がします。

詳細は2015年4月25日2016年3月5日の記事参照

②井登美株式会社製・ヘチマの帯枕

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ころっとした筒状なので、潰してから使用します。軽くて背中に密着しないところが涼しく感じる理由だと思います。

詳細は2016年3月5日の記事参照

2.あづま姿・へちまの前板

①ベルト

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ベルト無しのタイプ。Amazonで3千円強でした。

ベルトがないので帯の二巻目にはさんだり、開き名古屋帯*や袋帯では半分に折った帯の内側に入れることができます。

*開き名古屋帯…通常名古屋帯は、手先を半幅に折って仕立てますが、開き仕立ての場合は、手先もお太鼓の幅のままで仕立てます。
締める時に、袋帯のように手先を好みの幅に折って着付けることができるものです。

また、ベルトなしだと後から挟むこともできます。

②素材

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内側はガーゼのような柔らかいパイル地(綿100%)です。吸汗性がありそうです。

 

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前板の表地は、メッシュになっています。

メッシュ部分の下には芯のヘチマが見えます。国内で無農薬栽培されたヘチマを使用しているそうです。

しかし、メッシュ部分はナイロン100%です。

③サイズ

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1-①の前板より少し長いです。

サイズは 縦14cm、 横47 cmでした。

※ 上記リンクはなごみ屋のAmazonサイトですが、楽天市場店の方が安いこともあります

3.あづま姿・麻の帯枕

①製品をよく見てみる

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枕を包む枕紐とセットになっています。

 

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取り出すとこのように……

 

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包んでいる表生地はレーヨン70%、麻30%
芯素材は麻70%、ポリエステル30%
サイズは19×8×4.5cm

 

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枕紐は綿100%

 

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紐をとめるゴム付きです。

 

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1-②のヘチマの帯枕(上)より小さいですが、幅と厚みはあります。

 

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裏側は背中に付くようにカーブしていますが、硬い感じです。

「麻の帯枕」ということで、もっと軽いものを想像していたのですが硬く重い印象を受けました。

重さは紐共で137g、ヘチマの帯枕は約半分の71gでした。そしてこの硬さでは、通気性もあまりないようです。

②なぜこれが夏用の帯枕?

袋から出して手に取っただけで、この帯枕はあまり涼しさを期待できないことがわかってしまいました。

普通の帯枕としてならば全く問題は無いと思いましたが、どのような意図でこの商品を販売しているのかを知りたくなり、「あづま姿株式会社・東京支店」に電話で聞いてみました。

1960年創業のあづま姿株式会社はきもの着付用具の総合メーカーです。帯枕だけでもなんと50種類以上も揃えていますが、夏用はこの麻の帯枕のみです。

担当者の話によると……

  • 「夏用の帯枕」としていますが、通気性や軽さは考えておらず、麻素材=夏 というイメージで販売しているものです
  • それでも「夏の小物セット」の中に入っており、結構売れている商品でお使いになっている方も多いはずです
  • もし芯素材からすべてを麻にするとしたら、かなり高額になってしまい、商品にはならないと思います

とのことでした。

会社の目的は、「きちんときものを着付けるために必要な用具を手頃な価格で提供すること」なのかもしれません。快適な使い心地を追求しているわけではないことがわかりました。

「静電気除去のきものブラシ」*など、便利な製品も販売しているだけに、涼しくない「麻の帯枕」は少し残念な気がします。

*静電気除去のきものブラシ…ホコリ取りのブラシが静電気を起こし、逆にホコリを寄せ付けてしまうという悩みを解消してくれる製品です。(2015年12月6日の記事参照)

 

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△「あづま姿・静電気除去ブラシ」

 

4.麻の伊達締め

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白い伊達締めです。

 

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太い腰紐のようですが、中心部70cmに薄い芯が入っています。

 

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生地のアップ

 

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表生地…麻100%
芯素材…綿100%

この製品は芯も天然素材100%なので通気性は良さそうです。

リンク:麻の伊達締め(だてじめ) 白

 

5.使用後の感想

①あづま姿の帯板

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井登美製の帯板よりやや厚みがあるので、補正の役目も果たしそうな気がしました。少しでも胴回りをスッキリ見せたい人には井登美製の前板をおすすめします

 

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開き名古屋の二巻目の中に帯板を入れています。ふんわりして、少し帯締めが食い込んでいるようです。
けれども、私はこのように自然な感じも好きです。

普段は帯の一巻目と二巻目の間に使用し、暑い季節は伊達締めのすぐ上に使用すると、さらっとした綿パイル部分が体の熱を吸収してくれるのではないかと思いました。

博多の半巾帯を締めて<後から挟む>という使い方も試してみましたが、上手くいきました。

②麻の伊達締め

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一度洗濯してから使用しましたが、一回の洗濯ではほとんど変化は無くしっかりしていました。使い込むと柔らかくなるのでしょう。

麻はボリュームがあるので絹の伊達締めよりもかさばるイメージですが、前で結ぶのではなく巻いたまま端を折り込めばよいので、締め心地は良いです。

夏は汗で湿りがちになる襦袢の上の伊達締めとして最適だと思いました。

 

6.まとめ

①前板

井登美製の前板より、あづま姿の前板の方がやや厚みがありしっかりしています。

前板をしている感じが無いのは、薄い井登美製のものですが、ベルト無しのあづま姿の製品も、一年中便利に使えそうです。

②帯枕

井登美製のヘチマ帯枕がおすすめです。

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△ヘチマの帯枕を使用した夏の装い

③麻の伊達締め

通気性が良く、汗をかいても簡単に洗える麻の伊達締めは夏に役立つ製品だと思いました。

 

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