小ワザ

タンスに入れておくと、きものが増えるアイテムとは?

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皆さんの箪笥には着物や帯、小物以外に何か入っていますか?
今日は入れておくと着物が増えて幸せになるといわれる物のご紹介です。

 

1.玉虫

猛暑が続いた8月のある日、家の前の木の下に何やら光るものを発見しました。
緑色に光る虫、玉虫です!

残念ながらすでに死んでいましたが、
東京にも生息していることを知り驚きました。

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玉虫は昆虫の中で一番美しい虫といわれ、
その羽根を使用して法隆寺の国宝「玉虫の厨子」が作られたことは有名です。
そして古くから「箪笥に入れておくと着物が増える」という言い伝えがあります。

私が子供の頃、
母が箪笥から小さな箱を大事そうに取り出して私に言いました。
「これはおばあちゃまからいただいた物なのよ」

そして蓋を開けて見せてくれたのがこの玉虫でした。

父方の祖母が嫁である母に、
「あなたはきものが好きだから…」とくれたそうです。

綺麗なブローチのように光る玉虫の姿はとても印象的で、
その後も何度か見せてもらいました。

私は、
「こんなに綺麗な虫は、どこか遠い特別な場所からのお土産だったのだろう」
と、ずっと思っていたのです。

我が家に来てくれた? 玉虫を早速拾って小さなビニール袋へ。
密閉して1日放置したら小さな蟻が2匹出て来ましたが、
その後は何ともない様子。

そういえば母の玉虫はどうしたでしょう?
何だか急に懐かしくなり、実家に行きました。

玉虫は昔と同じように箱にしまわれていました。
そこで我が家に来てもらうことに…

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手前が昔の玉虫。
昭和時代の玉虫の方が立派で、いまだに輝いていますね。
(いずれも4センチ程度で、今回の玉虫が一回り小さいです)

母はこの玉虫のお陰できものに囲まれた生涯を過ごせたのでしょうか……?

次に玉虫を見ていて思い出したものがあります。

 

2.散華(さんげ)

散華とは寺院で法要を行う時に撒き散らす蓮の形をした色紙のことです。
蓮の生花の代わりに使われ始めたとのこと。

これも箪笥に入れておくと着物が増えると言われているものです。

私の箪笥にも入っていました。
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左の銀色は京都蓮華寺の散華で母からのもの。
右の金色は高野山のお土産として学生時代に友人からもらったものです。

散華、皆さんの箪笥にも入っているのではないですか?

玉虫と散華の言い伝えは日本全国、
昔の人なら誰もが知っている、という感覚だと思いますが、
最後にちょっと珍しいものをご紹介しましょう。

 

3.千木箱(ちぎばこ)

東京芝大神宮の「だらだら祭り」で売られている縁起物です。
「だらだら祭り」は毎年9月11日から10日間に渡る長い期間行っていることが
名前の由来です。

境内では生姜を売る屋台が出ることから「生姜祭り」ともいわれています。
そしてこれがこの神社でしか売られていない千木箱です。

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三段重ねの小さな箱(全体の高さ11センチ)を藁で縛ったもので、
中には大豆がちょっぴり入っています。

千木とは神社の屋根の両端に交差し高く突き出ている部分のことですが、
「ちぎ」は「千着」に通じるので、
きものが増えるのを祈ってこれを箪笥に納める風習があります。

今では「衣服が増え、良縁に恵まれ、
幸せな結婚が出来る縁起物のお守り」として社務所で一年を通して入手可能です。

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きものに関わる面白い風習は色々あると思いますが、昔も今も「素敵なきものをもっと着たい!」という女性の願いは同じなのですね。

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