泥染め大島と椿柄の帯


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今日は2月から3月にかけて着用した大島紬を取り上げます。

 

1.昭和時代の大島紬

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大きい麻の葉文様*の大島紬です。

*麻の葉文様…正六角形を基礎にした幾何学文様で、形が大麻(おおあさ)の葉に似ていることからこう呼ばれます。

 

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この大島紬は「泥染め*」なので、柄が大きくても色は地味に感じます。

*泥染め…奄美大島で行われている天然の染色方法です。白い絹糸が、テーチギといわれるバラ科の樹木「シャリンバイ(車輪梅)」の染色液と泥田での染めを繰り返しおこなうことにより、堅牢で光沢のある渋い茶褐色に染まります。

茶褐色のきものには少し明るめの帯を合わせたくなります。

 

2.紅型(びんがた)染め・椿柄の帯を合わせる

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昭和時代の典型的な帯合わせかもしれませんが、紅型染めのちりめん帯を締めました。

 

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このようなカジュアルな組み合わせは着ていても楽で、動きも活発になる気がします。

 

3.椿柄の季節は?

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この帯には「椿」と「梅」が描かれています。

梅はもちろんですが、椿も「木に春」と書き「春を待つ花」といわれるように、一般的には早春の柄というイメージですね。

けれども、梅はメインのモチーフでは無く、椿は秋に咲く山茶花(さざんか)だと見立てれば、秋の着用も問題ありません。実際の山茶花と椿はほとんど見分けがつかないようです。

 

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この帯も母からもらう時、「秋から締めても大丈夫よ」と言われました。

意匠化された葉を見ると、葉が尖ってギザギザしています。もちろんこんな形は無いと思いますが、少しギザギザしている山茶花の葉に近いのかもしれません。

つまり椿と山茶花、どちらにも見えるデザインなのだと思いました。このように椿の柄は、10月の終わり~3月まで、というように意外に着用期間が長い柄といえます。ただし例外として、雪と共に描かれる「雪持ち椿」の柄は冬限定になります。

 

4.無地の帯を合わせる(象篏帯留とべっ甲帯飾りをアクセントに)

今度は無地の帯を合わせてみました。

 

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薄いピンクの塩瀬(羽二重)・無地の帯です。

 

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象篏(ぞうがん)*の帯留とべっ甲の帯飾りで帯合わせを楽しみました。

*象篏…地金に模様を刻み込んでそこに金や銀を嵌め込んだ工芸品

カジュアル感が薄れ、大人しい装いになりました。「柄物の紬×柄物の帯」は楽しい雰囲気に、「柄物の紬×無地の帯」は落ち着いた雰囲気になるようです。

「街着」や「普段着」といわれる大島紬ですが、日常的にきものを着なくなった現代では、少しよそ行き風のコーディネートをした方が着用機会が多くなるかもしれません。


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